第10回建築家展

住宅は単に人々に守るシェルターのみならず、住宅はそこに暮らす人々の人生を演出するツールであり、基盤であると思います。 それを使いこなすことによって、数々のドラマが繰り広げられます。クライアントの要望を踏まえ、そのテーマに添った家づくりを共に考え、そのプロセスを共有することが大切だと思います。

住まいの設計には色々な夢や希望が託されます。敷地やコストなどの与条件から見出された、設計の骨格、コンセプトを大事にして、毎日が楽しくなるような住宅作りを目指しています。

設計とは必然性の中から生まれるものだと考えています。そこから生まれたデザインだけが、飽きることなく馴染み深く、愛着を持って長く住んでいくことにつながると思います。

家は設計に始まり完成に至るまで、実に様々な場面が展開していきます。その中で理想とするものは何か、何が一番大切なのかを一緒に考えて作っていけたらと思っています。そこにしかあり得ない、深い思い入れのある建築にしたいと考えています。

「そこにあるべきもの」を発見することで光に溢れ風が抜けるすっきりとした空間を造りたいと考えています。

その場所に、どのような建物が相応しいか。そこでの営みを豊かにするのは、どのような空間か。そんなことを常に考えながら、そこに住まう方との対話を重ねていきたいと考えています。

「人は家を造り、家は人を創る」と言います。暮らしによって人間が形成されると言っても過言ではありません。クライアントの生活を十分考慮し、敷地の持つポテンシャルを最大限引き出せるように設計しているつもりです。