第13回未来をのぞく住宅展

一時の流行や一過性の建築で空間を造るよりも、長期的に変わらない多様な要素（光、風、地域の営みや風景）に着目して、それらの要素を空間の秩序としてしつらえる事を念頭においております。

住まいは、「人」が豊かで楽しく暮らすためにあるのだと思います。住宅という名の器を造ること自体が目的ではないはずです。設計の目的は「人と人との良好な関係」を創ることにあると考えています。家族はもちろん、隣近所の人とも仲良く暮らせる家を目指したいものです。

家には、そこに住まう方の思いが現れるものです。ご家族と共に生活を見つめ潜在的な思いも引き出し、その“思い”と“未来”を『かたち』にしていきます。家族の未来が『かたち』になった時、世界で一つの家づくりが始まります。『家を建てる方の潜在的な部分を、日々の生活や未来と結びつけることが、私の‘仕事’です』

本当に必要なものは、いつまでも飽きのこない気持ちのよい空間だと考えています。 住宅や建築は、長い目で見なければ、いずれその価値は失われてしまいます。 直井建築設計事務所では、自然を身近に感じ、活力にあふれる生活を送れるような、 そんな家づくりを目指しています。

そこに住まい手があり、初めて意味を持つのが住まいと考えます。それを作り上げる過程から完成後に住まい手に馴染んでゆく様な家を作りたいと思っております。それと同時に普遍的な空間の心地よさの追求、つかい勝手の良さへの探求、細部までの丁寧な作り込み等、そこにかたむける労力は、決して惜しみません。

きもちよくて愉しい住宅をつくりたいと思っています。 いろいろな敷地環境があり、いろいろな人がいます。 住宅の「快適さ」は人それぞれ千差万別、 いろいろな「快適さ」があっていいと思います。 その土地・その人にとってベストの「快適さ」 を見つけ出したいといつも考えています。

住宅は消費財ではありません。経年変化で価値が下がっていくのではなく、ますます価値が高まるものを作っていく必要があると思っています。

打ち合わせを繰り返し、長く時間をかけて出来上がった住宅ほど、その立ち姿はなんだか建主によく似ているように感じることがあります。新しい家族の一員のように、住まう人と共に年を重ね、時を経てなお美しさ・楽しさを増すような人間味のある住宅を作って行きたいと思っています。

光が入り、気持ちの良い風が抜ける、快適で美しい家。 シンプルですが、家づくりにおいていつも心がけていることです。 対話を通じて要望を深く読み取り、既成概念に囚われない、本質的に豊かな住まいを作りたいと考えています。 住まい手とともに、末長く愛着の持てる家をつくっていきたいと考えています。